宇波保(読み)うなみほ

日本歴史地名大系 「宇波保」の解説

宇波保
うなみほ

古代の宇納うなみ郷の遺称地で、南北朝期からみえる保。延文四年(一三五九)七月、前越中守護井上暁悟方追討のため越中に入った幕府方の能登守護吉見氏頼は、得田氏らの能登勢を率いて白河しらかわ城や閣間かくま(角間)において暁悟や井上河内前司章俊らと戦い、次いで九月末に宇波・八代やしろ・氷見・千久里ちくり城を攻め落し、越後境まで追いつめている(同年一一月日「得田章親代大隅貞章軍忠状」遺編類纂所収得田文書)。能越国境地帯には越後等の南朝方と結んで幕府に抵抗する勢力が根強かったようである。また寛正六年(一四六五)には北国修行をするという聖護院杉坊積善院から、路次の便宜のため越中各所への添状を頼まれた蜷川親元が、折紙を宇波保代官中西某に宛てている(「親元日記」同年五月二七日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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