安んぞ(読み)イズクンゾ

デジタル大辞泉 「安んぞ」の意味・読み・例文・類語

いずくん‐ぞ〔いづくん‐〕【安んぞ/×焉んぞ】

[副]《「いずくにぞ」の音変化》漢文訓読用語で、あとに推量を伴って反語を表す。どうして…だろうか。
「人―常にあしからむ」〈露伴・二日物語〉

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精選版 日本国語大辞典 「安んぞ」の意味・読み・例文・類語

いずくん‐ぞいづくん‥【安ぞ・焉ぞ・悪ぞ・奚ぞ・寧ぞ】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「いずく(何処)にぞ」の変化した語 ) 漢文訓読の用語で、下に推量表現を伴って反語を表わす。どうして(…であろうか、そうではない)。
    1. [初出の実例]「焉(イツクソ)八龍の委虵たるに駕せむや」(出典:漢書楊雄伝天暦二年点(948))

安んぞの語誌

「いづくにぞ」は元来「何処に…あろうか」の意。「何処に…の可能性があろうか」のような意味を経て、反語の副詞に落ち着いたものと思われる。→「いずこ(何処)」の語誌


いずこん‐ぞいづこん‥【安ぞ・焉ぞ】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「いずこにぞ」の変化した語 ) =いずくんぞ(安━)
    1. [初出の実例]「後生畏るべし。焉(イツコンソ)来らむ者の今に如かざることを知らむ」(出典:世俗諺文鎌倉期点(1250頃))

いずく‐に‐ぞいづく‥【安ぞ・焉ぞ】

  1. 〘 副詞 〙 ( 「いずく(何処)にぞ」の意から一語化した語 ) =いずくんぞ(安━)
    1. [初出の実例]「焉(イツクニソ)肯勤而行乎」(出典:天理本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))

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