安全保障共同体(読み)あんぜんほしょうきょうどうたい(その他表記)security community

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「安全保障共同体」の意味・わかりやすい解説

安全保障共同体
あんぜんほしょうきょうどうたい
security community

おもに国際政治に用いられ,アメリカの国際政治学者 K.W.ドイッチュ博士らによって提起された用語。その構成員が相互の関係を平和的に調整し,永続的な形でその共同生活を安全に発展させるに足りるだけの制度化と組織化,および意識状態を達成した集団をいう。すなわち,一定程度の統合の産物であるが,一国家の構成員が紛争を戦争や暴力によって解決しようとする場合もあるから,国家が安全保障共同体になるとはかぎらない。他方,単一の国家の外に構成される安全保障共同体としてはヨーロッパ連合 EUなどがある。安全保障共同体には,政治権力の集中度により,集中度の高い融合的なものと低い多元的なものとがあり,今日,平和的に国際統合を実現してゆくには,国家間に多元的な安全保障共同体を構成するのが有効な方法であると考えられている。

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