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国際政治 こくさいせいじ international politics

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際政治
こくさいせいじ
international politics

国際社会における政治現象であり,主として国家間に展開される政治的な諸関係の総称。その際,政治の概念を権力関係として狭くとらえるか,統制,指導,利害調整などを含む広い諸関係としてとらえるかによって,国際政治の範囲についての見解にもさまざまな差異が現れる。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいせいじ【国際政治 international politics】

17世紀のヨーロッパ主権国家体系state systemが形成されてからも,まだ国家間の関係とは主として王朝間の関係を意味する絶対王政の時代が続いた。19世紀になり,民族国家が一般化するにつれ,国内で国民の政治的統合が進む反面,国家間の関係は,伝統的な外交diplomacyという観念とともに,対外関係foreign relations,対外問題foreign affairs,external affairsといった言葉で表されるのが通例となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

国際政治
こくさいせいじ
international politics

国家と国家の関係を外交や戦争などの政治関係についてみるならば、そのような国際政治は歴史上複数の国家の成立とともに古いということができる。しかし、現代の国際政治の特徴は、過去の国際政治といろいろな点で大きく異なっている。一般に国際政治として理解されているものは、ヨーロッパの16世紀以降成立した国民国家体制であるが、その体制自体が著しく変動し、その存在理由が問われているのである。[斉藤 孝]

歴史

国家・都市あるいは部族などのある社会集団がほかの集団と接触し、そこに交易・外交あるいは戦争が発生し、相互の関係を規制する慣習または法が形成された。このような事態は、古代においても、メソポタミアや中国およびギリシアのポリスの間にみいだせる。しかし、古代における国際政治の実態と性格はいくつかの点で近代のそれとは異なっている。古代において国際政治が形成される範囲は局地的な文明圏を限度としており、また、外交関係といっても恒常的ではなく、一時的・偶然的なものであった。中世ヨーロッパにおいてはカトリック教会および皇帝権の普遍主義が諸国を支配しており、国家主権という概念もなかった。独立した諸主権国家が並立し、互いに平等なものとして恒常的な外交関係を保ち、共通の慣習および国際法に服する近代国際社会が成立したのは、16世紀のヨーロッパにおいてである。
 外交上の慣行はすでに13世紀ごろから北イタリアで確立し始めていたが、このイタリアにおける慣行がヨーロッパ諸国に広がり、ほぼ16世紀には定着し、1648年のウェストファリア条約によって完成をみた。この国際体制を近代国際社会とも西欧国家体系ともよんでいる。それは、国家主権の観念と国際法とを柱とするが、同時に勢力均衡を基礎としており、ひとたび均衡が破れたと意識されると、戦争に訴えうるような体系であった。この西欧国家体系はその範囲を非ヨーロッパ諸国にも拡大し、20世紀後半にはほとんど地球上の陸地の全域を覆うに至った。このような国民国家体制は形式上は完成をみたということができる。
 西欧国家体系のなかで、外交は宮廷外交から官僚外交へと展開し、戦争も傭兵(ようへい)戦争から徴兵制軍隊による戦争、さらに国家総力戦へと推移し、20世紀後半には核兵器による全面戦争の危機が叫ばれるに至った。しかし、一方では戦時国際法の形成や戦争の違法化も進み、さらに国家間の、および国家を超えた諸組織も生まれている。現在においては反核運動の台頭や軍縮を求める国際世論も高まっている。
 また、資本主義は植民地の存在を不可欠のものとして成長してきた。とくに19世紀後半の帝国主義の時代にはアフリカの奥地から太平洋の島々に至るまでいわゆる帝国主義列強によって分割されたのであった。これに対して植民地諸民族の反抗運動がしだいに発展し、第二次世界大戦後に至っては、植民地は形式上は消滅して独立国となった。しかし、これら新興諸国は、植民地時代の遺産および内政の不安定などによって先進諸国との間の経済的格差が著しく、「南北問題」として今後の国際政治の焦点となっている。[斉藤 孝]

動態

西欧国家体系において国際政治を動かす最大の要因と考えられたのは国家的利益national interestsであり、古代・中世の宗教的・部族的対立にかわって国家を主体とする対立が制度化した。国益という観念の基礎にあるものがナショナリズムであり、諸民族国家の体系というたてまえがほぼ17世紀以降の国際政治を支配した。国家は国内におけるあらゆる団体を超えた最高の存在であり、地上における正義である。戦争は正義と正義の衝突であり、その正否は戦争の勝敗によって決定される。このような古典的というべき国家観は今日なお持続しており、国内政治と異なった国際政治の特色となっている。
 しかし、反面、国際連合のような国際組織は、不徹底ではあるが、国際紛争においては国家を超えた正義を認め、また、非政府組織が多様な分野に登場している。こうして国家そのものが今日では最高の基準ではなくなっているが、国内社会と違って依然として中央政府にあたるものはできていない。
 しかも、民族国家といっても、超大国であるアメリカとロシアさらに中国は、いずれも多民族からなる国家である。世界の現状では、民族の分布と国家の版図とが一致しない場合も多い。主権国家がたてまえとして平等であるといっても、今日の180余の国家の間には著しい不平等が存在する。世界はEU(ヨーロッパ連合)の理想像のように統合に向かうのか、あるいは太平洋の島々にみられるような極度の細分化に向かうのか、二つの契機が共存しているのが現状である。国々の間の相互の交流および依存はかつてないほどに深まっているが、他方、超大国の間の緊張は、まだまったく消滅してはいない。今日の世界は単なる民族国家の論理では説明のつかない複雑な様相を呈している。
 ロシア革命以後国際政治の舞台に登場した社会主義は第二次大戦後著しく拡大して、東ヨーロッパと東アジアに社会主義国家が成立したが、その後ラテンアメリカおよびアフリカにも社会主義国家が生まれた。それらは巨視的にはイデオロギーをほぼ同じくするが、現実的には相互の利害の対立があり、国際政治上一つのブロックとして行動する場合もあり、行動しない場合もある。社会主義は、とくに植民地支配を脱した国々においては急速な工業化のための方途として魅力をもっていた。資本主義諸国と社会主義諸国の関係については、これを敵対関係においてとらえる冷戦という考え方が第二次大戦後久しく双方の体制を支配したが、1980年代後半、アメリカとソ連の間に冷戦の終了が宣言され、ついで東ヨーロッパ諸国の社会主義からの離脱、ソ連の解体が連鎖反応的に進行し、いまなお社会主義を公的な体制としている国も市場経済を唱えており、社会主義は国際政治の争点ではなくなった。
 19世紀の後半からヨーロッパ諸国において帝国主義が政策原理として台頭し、世界諸地域は相次いで分割され、アメリカ・日本の非ヨーロッパの国もこの世界分割競争に参加するに至った。アフリカおよび太平洋諸島があますところなく列強に分割されたのはこの帝国主義競争の結果である。帝国主義は独占資本主義を基礎として成立しているものであり、この時期においては国家の政策として意図的に拡張主義がとられたのであった。帝国主義列強は世界再分割戦争を再度にわたって引き起こしたが、第二次大戦以後帝国主義はたてまえとして国際政治の表面から姿を消した。事実上なおベトナム戦争にみられたように帝国主義の属性である好戦主義・覇権主義や、異民族に対する抑圧の衝動は世界から消滅していない。[斉藤 孝]

現状

第二次大戦においてアメリカとソ連は連合国として協力したが、戦後まもなく冷戦とよばれる米ソ対立が表面化した。米ソ両陣営に属さない中立諸国の数は少なかったが、朝鮮戦争の終結(1953)、インドシナ戦争の終結(1954)、バンドン会議(1955)を経てしだいに非同盟路線として勢力を拡大してきた。従来の植民地的従属から脱却した諸国は「第三世界」を形成した。これらの国々が「資源ナショナリズム」とよばれるような自国内の天然資源に対する支配を国際的に認めさせたことは、西欧国家体系に対する批判の高まりを物語るものであった。第三世界は大部分が非同盟会議のメンバーと重複しているが、同時に南北問題における「南」の国々であり、その経済的諸問題は依然として困難な問題である。しかも、最近においては南南問題といわれる第三世界に属する国どうしの紛争が目だつようになった。ひと口に第三世界といっても、その内実は、大国あり小国あり、資源を豊富に所有する国もあり、著しい貧困に悩む国もあるというぐあいに実に複雑多様であるが、概して国内体制の整備が不十分であり、開発独裁や軍事独裁の下に置かれている国が多く、政権の基礎が弱体である。国連において多数を占めるに至った第三世界の動向は、国際政治の将来にとって重要な鍵(かぎ)となる。
 冷戦下に「二つの世界」に分かれたようにみえた東西両陣営は、1960年代以降著しい変貌(へんぼう)を遂げた。西側においては、日本およびEC諸国の経済発展とアメリカの相対的な比重の低下に伴って政治的にもアメリカの優位は失われた。一方、東側でも、ソ連から離反する国が中国はじめ東ヨーロッパに相次ぎ、ハンガリー事件(1956)やチェコ事件(1968)のような国際的にも思想的にも重大な事件が起こった。このような両陣営の解体を示す現象は国際政治の多極化あるいは多元化とよばれ、今日まで継続している。東西間の緊張が緩和するとともに、それまで表面化しなかった民族間の紛争、地域的な紛争が突然噴出した。ユーゴスラビアにおける民族紛争はその代表的な例である。
 21世紀となって世界は、人、物、金のあらゆる面で歴史上かつてない密接な国際交流を実現しつつある。まさに国際的相互依存が深まっており、政治と経済との境界もあいまいになっている。このように時代にあって現在の国際政治はまさに世界史の変動による新たな要因が出現して混沌(こんとん)とした様相を呈している。国際連合やNGO(非政府組織)に象徴される国際主義が表面的に支配的であるかにみえるが、一方、ナショナリズムが地域によっては現象の底流に存在する。軍備縮小が世界の大勢であるかにみえながら、国家のパワー・ポリティックスが依然として発動されることが珍しくない。今後、国際政治がいかに変動するかは予断を許さないが、結局のところ、人類の歴史的な遺産としての平和思想を継承し、人類の福祉を増進するための知恵を集合するような諸国民の主体的な意志形成にかかっている。[斉藤 孝]
『『講座国際政治』全5巻(1989・東京大学出版会) ▽『講座 世紀間の世界政治』全6巻(1993~94・日本評論社)』

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世界大百科事典内の国際政治の言及

【国際政治学】より


[国際政治学の成立]
 第1次大戦後に新しくはじまった,国際政治の系統的知識の獲得を目的とする学問分野。国際政治学がひとつの学問領域となる以前において,国際関係は外交史および国際法の研究のもとで行われていた。第1次大戦は国民全体を戦禍に巻き込んだということで戦争史上の画期であった。その結果,人類を破滅に導く戦争の原因の探究とその防止のための研究が必要になってきた。また,アジア,アフリカでは植民地からの独立運動が盛んになってきた。…

【世界政治】より

…国際政治international politicsという概念は,まず主権国家を基本単位として措定し,そうした国家間の政治に着目する視座を示す。これと区別された世界政治という概念は,まず世界という社会を基本単位として措定し,世界社会のさまざまなレベルでの政治やその全体的関連に着目する視座を示す。…

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