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国際統合 こくさいとうごう international integration

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

国際統合
こくさいとうごう
international integration

国家間の紛争をなくし,永続的な平和を実現することを究極の目的として探究される,国民国家レベルをこえた地域統合,さらには世界的な統合をいう。最終的に達成される国際統合とは,個々の主権国家を超越する国際的な権威と権力が存在し,人々の忠誠心が超国家的な組織に向けられるようになった状態をいうが,いまだ目標の域を出ていない。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

国際統合

複数の主権国家が、平和的手段で統一体を形成していく過程。国際統合は、世界全体のレベルでは、国連の機能拡大などが試みられているが、大国のヘゲモニーが強く、試行的段階にとどまっている。それに対して地域レベルでは、地理的に近接し文化・伝統と経済レベルが比較的近いEU(欧州連合)で高次の統合が進行中であり、ASEAN(東南アジア諸国連合)などでも地域主義に基づき様々の可能性が模索されている。そのため、地域統合と呼ばれることが多い。統合とは、部分や要素を結びつけて全体を構成すること。歴史的には、例えば北米13州が米連邦国家を形成したような、政治的組織の統一と法的一体化の過程を意味していた。しかし近年のEUでは、域内における人・モノ・サービス・情報の自由化、規格や安全基準の統一から、国家主権の根幹をなしていた通貨の発行・管理が欧州中央銀行を軸とするシステム一元化される過程に発展した。また共通の外交、安全保障、司法、国境管理など、政府間で分野ごとに政策協調の制度化が進展している。こうした各次元での統合の進み方が異なり、また目標とする状態も必ずしも画一的でないが、今日では統合とはこうした多次元にわたる多様な過程と考えられている。また欧州統合の進展とともに、二度の大戦を戦った独仏間、独英間などで、戦争の可能性はほぼ消滅した。ここでは、深刻な利害対立が生じても、非軍事的方法によって収拾できるという認識と実績が積み上げられてきた。このような状態を不戦共同体(security community)と呼ぶ。さらに西欧では、市民の間に次第に“ヨーロッパ人”意識が強まり、指導者相互にはパートナー意識も根付いてきている。この脱主権国家化の傾向は、加盟国内の民族集団少数者集団の自立化を促進している。他方で、各加盟国内では移民・移住者への反発も高まっている。また強大な超国家的権力が立ち現れることへの警戒感と、さらにそれがEU議会などの民主主義的な制度では統制不能ではないかとする懸念も生まれている。これらは一部加盟国がEU憲法条約案を国民投票によって否決した事例が示すように、統合に対する根強い抵抗を含む多様な議論を呼び起こしている。

(坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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世界大百科事典 第2版の解説

こくさいとうごう【国際統合 international integration】

複数の独立国家が平和的手段によって統一体を形成すること。国際統合の究極の形として,現存のすべての諸国家が世界連邦を形成するということも論理上は考えられるが,現在の国際社会において現に進行している国際統合は,ほとんどすべて西ヨーロッパとかラテン・アメリカというような地域単位で行われているものである。このため,国際統合は地域統合regional integrationと呼ばれることもある。ある国家が別の国家に対し武力によって統一を強制した例は歴史上しばしばみられ,征服・併合・植民地化などの名で呼ばれてきた。

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世界大百科事典内の国際統合の言及

【ヨーロッパ連合】より

…それは,共同体域内の国際関係に関する限り,〈パワー・ポリティックス〉に特有の〈砲艦外交〉方式の破棄にほかならない。 第2の意義は,EUが国際政治の〈国家体系nation state system〉に挑戦し,この体系を変革していこうとする〈国際統合international integration〉のダイナミックスをもっていることである。〈国際統合〉のダイナミックスとは,構成国が国家の心情的属性(ナショナリズムとか国家に対する忠誠心)や行動的属性(国家の対外政策の決定権とか政治的自立性)を,漸進的に新たな超国家的共同体に委譲していく政治過程を意味する。…

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