日本歴史地名大系 「安藤用水」の解説 安藤用水あんどうようすい 鳥取県:八頭郡郡家町安藤用水安藤井手・通り谷(とおりだに)井手ともいう。八東(はつとう)町安井宿の宮前(やすいじゆくのみやまえ)で八東川から引水、郡家町大門(だいもん)・殿(との)・西御門(にしみかど)の山腹に沿って北西流し、西御門・郡家間の通り谷をトンネルで貫通、宮谷(みやだに)の堤まで到達する。総延長一〇・三キロ。名称は造成した郡家村百姓の安藤伊右衛門の姓による。この用水により新田開発一二町四反余、畑地の水田化一五町二反が行われ、近郷の水田二七五町を潤した。文政三年(一八二〇)五月伊右衛門の願いにより工事を開始し、同六年四月に満三年をかけて完成した。神社や居宅、墳墓の移転を伴い、また周辺の百姓の人夫役が多かったため当初は反対を受けたが、完成後には久能寺(くのうじ)村の御立山に通水して新田開発を行うことが可能となることなどから、藩から許可を受けた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by