日本大百科全書(ニッポニカ) 「宋詩鈔」の意味・わかりやすい解説
宋詩鈔
そうししょう
中国、宋代の詩の総集。正しくは『宋詩鈔初集』という。清(しん)の呉之振(ごししん)、呂留良(りょりゅうりょう)、呉爾尭(ごじぎょう)ら3人の共編。1666年ごろ成立、1671年刊。宋の詩人84人の作品を各人の詩集から抄録したもので、94集からなる。唐詩を絶対視する風潮のなかで、宋詩を称揚するために編纂(へんさん)された。元来100人の詩集を抄録する予定が果たせず、のち清の管庭芬(かんていふん)、蒋光煦(しょうこうく)の2人が『宋詩鈔補』を編み、69人の作品を増補するとともに、初集に欠く16人の詩集を抄録した。宋代の有名詩人はほぼ網羅されており、抄録とはいえ、かなりの分量の作品が収められているので、宋詩を読む場合に重宝である。
[和泉 新]