幕下(読み)マクシタ

デジタル大辞泉 「幕下」の意味・読み・例文・類語

まく‐した【幕下】

相撲で、力士地位の一。十両次位三段目上位。昔は幕内に入らない者を総称したが、現在は、番付二段目に名を書かれる力士のうち十両を除く者。

ばく‐か【幕下】

張りめぐらした幕の中。陣営
近衛大将唐名
将軍異称
将軍の配下の者。また、家来手下

ばっ‐か〔バク‐〕【幕下】

ばくか(幕下)

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精選版 日本国語大辞典 「幕下」の意味・読み・例文・類語

ばっ‐かバク‥【幕下】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 張りめぐらした幕のもと。幕の中。転じて、将軍の本営。陣屋。陣営。また、政などを執るところ。
    1. [初出の実例]「上苑楓林陰未薄、幕下巣空燕早辞」(出典経国集(827)一・重陽節神泉苑賦秋可哀応利〈滋野貞王〉)
    2. [その他の文献]〔戦国策‐魏策〕
  3. 近衛大将(このえのたいしょう)の唐名。〔公卿補任‐保延五年(1139)源有仁〕
  4. 将軍または大将軍の称。
    1. [初出の実例]「幕下大将軍二男若君」(出典:吾妻鏡‐建仁三年(1203)九月一五日)
    2. 「幕下申されけるは、君の御秘蔵候御物に、いかでか頼朝が眼をあて候べきとて」(出典:古今著聞集(1254)一一)
  5. 将軍の配下に属する者。家来。また、手下。配下。転じて、その勢力下に入った者。
    1. [初出の実例]「随而将軍家幕下大理兼帯御供奉事」(出典:尺素往来(1439‐64))
    2. 「佐野の奴の幕下(バクカ)で十五円の給料では」(出典:俳諧師(1908)〈高浜虚子〉五二)
    3. [その他の文献]〔韓愈‐送温処士赴河陽軍序〕

まく‐した【幕下】

  1. 〘 名詞 〙 力士の階級一つ。昔は幕の内以下の力士の総称。番付の最上段に幕内力士の名を書き、以下はその下に記されたところからいう。現在は十両と三段目との間の地位。
    1. [初出の実例]「俗に幕下十名を十両取といひ」(出典:東京風俗志(1899‐1902)〈平出鏗二郎〉下)

ばく‐か【幕下】

  1. 〘 名詞 〙ばっか(幕下)

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普及版 字通 「幕下」の読み・字形・画数・意味

【幕下】ばくか

本陣。將軍の麾下。〔左伝、哀二年〕鐵の戰にび、徒五百人を以(ひき)ゐて(よる)の師を攻め、旗(ほうき)(軍旗)を子姚(簡子)の下に取る。

字通「幕」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「幕下」の意味・わかりやすい解説

幕下
まくした

力士の階級の一つ。幕内より下の意で,番付表で十両を除く二段目の階級をいう。下は三段目,序二段,序ノ口。以前は十両を含めた二段目を二段目幕下と総称したこともある。

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世界大百科事典(旧版)内の幕下の言及

【武家政治】より

…また中国の古典的用法では,この大将軍が出征中に軍政をとる場所,すなわち将軍の幕営を幕府,柳営などと称した。そして幕府の語は大将軍(近衛大将)の居処の意味から転じて,大将軍そのものを指すに至り,頼朝の時代には一般に近衛大将を幕府,幕下と称した。近衛大将に任ぜられた頼朝の居館が幕府と呼ばれる必然性が生じたのである。…

※「幕下」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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