宝泉銅矛遺跡(読み)ほうせんどうほこいせき

日本歴史地名大系 「宝泉銅矛遺跡」の解説

宝泉銅矛遺跡
ほうせんどうほこいせき

[現在地名]川内町北方 宝泉

重信しげのぶ川の右岸、松山平野の東端に位置し、標高約一五〇メートル前後の緩傾斜扇状地にある。現在は二毛作可能の農耕地にまたがる渡部家の屋敷地内にあって、小祠に文政年間(一八一八―三〇)の木札といっしょに中細形銅矛一口が奉斎されていた。松山平野での銅矛の出土は平形銅剣に比し著しく少なく、当所と伊予市上野うえのの広鋒銅矛の二口にとどまる。

当所の銅矛は鋒先をわずかに折損し、現長五一・四センチ、最大身幅四・三センチ。県下発見の銅矛中最先鋭で、弥生中期の中葉前後のものとみられ、当時の農村共同体首長の家宝的存在から共同体共同祭祀儀器として用いられるに至ったかと思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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