朝日日本歴史人物事典 「宮増親賢」の解説
宮増親賢
生年:文明15?(1483)
室町時代後期の小鼓役者。金春座の太鼓の名手,宮増弥七の弟。初名弥六親次。法名高波月湖。はじめは兄と同様金春座に属し,金春禅鳳より伝書『囃之事』を相伝されるなどしたが,将軍の命で観世座に引き抜かれ,以後は同座の鼓名人として活躍。若狭へ下向し,その地で没したと伝える(『四座役者目録』)。著述活動も精力的に行い,玄人,素人の弟子に多くの伝書を相伝したことが知られる。絵師窪田統泰による親賢像は現存最古の能役者の画像として有名。
(石井倫子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報