く文字(読み)クモジ

デジタル大辞泉 「く文字」の意味・読み・例文・類語

く‐もじ【く文字】

《「く」で始まる言葉後半部分を省略し、「文字」を添えていった女房詞
茎漬け漬物
《「くゎんぎょ」の「く」から》還御かんぎょのこと。
《「九献くこん」の「く」から》酒。または、酒盛り

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「く文字」の意味・読み・例文・類語

く‐もじ【く文字】

  1. 〘 名詞 〙 「く」で始まる言葉の後半を略し、「文字」を添えた女房詞。
  2. 茎。
    1. [初出の実例]「一、くき くもじ」(出典:大上臈御名之事(16C前か))
  3. 茎漬。おはづけ。
    1. [初出の実例]「うちのほうをん院よりくもし二をけ、むめ一をけまいる」(出典:御湯殿上日記‐文明一四年(1482)正月九日)
  4. ( 「くさい」の「く」から ) ニンニク。
    1. [初出の実例]「くもし にんにくの事」(出典:東大本女中詞(1716‐36頃))
  5. ( 「くゎんぎょ」の「く」から ) 還御(かんぎょ)のこと。
    1. [初出の実例]「御かつしき御さとよりくもしなりて」(出典:御湯殿上日記‐弘治二年(1556)正月九日)
  6. ( 九文字 ) ( 「くこん(九献)」の「く」から ) 酒、または、酒盛のこと。
    1. [初出の実例]「御つほねにて、みなみなにくもしともまいらるる」(出典:御湯殿上日記‐文明一二年(1480)九月二五日)

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