宮川小体(読み)みやがわしょうたい(その他表記)Miyagawanella lymphogranulomatosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宮川小体」の意味・わかりやすい解説

宮川小体
みやがわしょうたい
Miyagawanella lymphogranulomatosis

1935年日本の細菌学者宮川米次 (1885~1959) が,第四性病 (鼠径リンパ肉芽腫) に感染した動物の組織細胞のギムザ染色標本で初めて発見した細胞封入体で,その病原体であることが確認された。この病原体は厳性細胞寄生性であるため,当初ウイルスとも考えられたが,その後,リケッチアとの類似性が強いうえに,本質的には細菌類特質をもつことが明らかにされ,現在では細菌類のなかのクラミジア目,クラミジア科に分類され,トラコーマクラミジア Chlamydia trachomatisと同一のものとみられている。したがって上記の学名は現在用いられていない。

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世界大百科事典(旧版)内の宮川小体の言及

【性病】より

…つづいて1905年F.R.シャウディンとホフマンErich Hoffmann(1868‐1959)は梅毒トレポネマを検出した。おくれて鼠径リンパ肉芽腫の病原体として,36年宮川米次らにより宮川小体が発見された。宮川小体は,その後の研究により,クラミディアに属する病原体であることが明らかになった。…

【鼠径リンパ肉芽腫】より

…以前には宮川小体と呼ばれていたが,現在ではクラミジア・トラコマチスChlamydiae trachomatisと呼ばれる病原体によって起こる性病で,第四性病,性病性リンパ肉芽腫とも呼ばれる。性交による感染後1~2週間で,男性では,外陰部に小さい隆起または小水疱ができるが気づかないことが多い。…

※「宮川小体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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