家刀自(読み)イエトジ

デジタル大辞泉 「家刀自」の意味・読み・例文・類語

いえ‐とじ〔いへ‐〕【家刀自】

《「とじ」は女性尊称》その家の主婦内儀。いえとうじ。
「今はからずも、朝稚ともわかは、庭門にめぐり入りて、是なん―なるべくおぼせしかば」〈読・弓張月・後〉

いえ‐とうじ〔いへ‐〕【家刀自】

いえとじ」の音変化。
「疎き人にしあらざりければ、―杯ささせて」〈伊勢四四

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精選版 日本国語大辞典 「家刀自」の意味・読み・例文・類語

いえ‐とじいへ‥【家刀自】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「とじ」は婦人の尊称 ) 主婦を尊んでいう語。いえのとじ。いえとじめ。いえとうじ。いえどうじ。内儀。〔高田里結知識碑‐神亀三年(726)二月二九日〕
    1. [初出の実例]「家室(いへトジ)家長(いへぎみ)に告げて曰はく〈国会図書館本訓釈 家室 二合家刀自〉」(出典日本霊異記(810‐824)中)

いえ‐とうじいへ‥【家刀自】

  1. 〘 名詞 〙いえとじ(家刀自)
    1. [初出の実例]「むかし、県(あがた)へゆく人に、むまのはなむけせんとて、よびて、〈略〉いゑとうじさかづきささせて」(出典:伊勢物語(10C前)四四)

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