家畜届出伝染病(読み)かちくとどけででんせんびょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家畜届出伝染病」の意味・わかりやすい解説

家畜届出伝染病
かちくとどけででんせんびょう

家畜伝染病予防法と家畜伝染病予防法施行規則により,都道府県知事に届け出が義務づけられている 71種の伝染病。(1) ウシを主体とする伝染病 破傷風は土壌病といわれるもので,けいれん,強直死を伴う細菌性の疾患である。治療には抗毒血清(→抗血清)の投与が有効。牛伝染性鼻気管炎は,呼吸器症状などを伴うウイルス性の急性熱性伝染病で,回復後も再発を繰り返し感染源となることがある。(2) ブタを主体とする伝染病 豚赤痢はスピロヘータの一種による出血性下痢を伴う疾患で,急性のものは比較的死亡率が高い。回復後に保菌豚となり常在化することが多い。伝染性胃腸炎は,嘔吐,下痢を伴うウイルス性の疾患で,新生豚,幼若豚に高い死亡率を示し,発育障害を引き起こす。ワクチンが有効。仮性狂犬病とも呼ばれるオーエスキー病は,けいれん,振戦,旋回などの症状を伴うウイルス性の疾患で,特に離乳前の幼豚の死亡率が高い。(3) ニワトリを主体とする伝染病 伝染性気管支炎は,ウイルス性の呼吸器病で,腎炎を引き起こすこともある。多くの血清型がある。伝染性喉頭気管炎は,ウイルス性の呼吸器病で,発生は局地的であったが徐々に増加した。予防には弱毒性ワクチンがある。

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