寄来（読み）よせくる

精選版 日本国語大辞典

よせ‐・くる【寄来】

〘自カ変〙 よせ・く 〘自カ変〙

① 波が寄せてくる。

※万葉（８Ｃ後）一五・三七〇九「家づとに貝を拾ふと沖辺より与世久流(ヨセクル)波に衣手濡れぬ」

② 攻め寄せてくる。比喩的に、思想、風俗などその時代の流れが押し寄せることもいう。

※上杉家文書‐建武四年（1337）九月三日・足利直義御教書「前国司已下凶徒等、寄来小山城間、自上野国馳越、被対治事、誠所感思也」

※浮雲（1887‐89）〈二葉亭四迷〉はしがき「文明の風改良の熱一度に寄せ来るどさくさ紛れ」

より‐・くる【寄来】

〘自カ変〙 より・く 〘自カ変〙 近くへ寄って来る。寄せ来る。

※古事記（712）下・歌謡「大前 小前宿禰が 金門蔭(かなとかげ) かく余理許(ヨリコ)ね 雨立ち止めむ」

出典　精選版 日本国語大辞典