富雄川(読み)とみおがわ

精選版 日本国語大辞典 「富雄川」の意味・読み・例文・類語

とみお‐がわ とみをがは【富雄川】

生駒山地北部に源を発して奈良市にはいり、生駒郡斑鳩(いかるが)町を南西に流れて佐保川に合する大和川支流。古くは富小川(とみのおがわ)と呼ばれた。

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日本歴史地名大系 「富雄川」の解説

富雄川
とみおがわ

生駒山地北部の生駒市傍示ほうじ付近に発し、矢田やた丘陵西ノ京丘陵の間の奈良市を南東流して大和郡山市に入り、生駒郡斑鳩いかるが町東南端で大和川に合流する。古称は富小とみお川。「拾遺集」に、聖徳太子が餓えた人に同情したことを詞書として記した歌があり、それに対し「餓人かしらを擡げて御返しを奉る」として

<資料は省略されています>

が載り、この歌にかかわる話は「日本霊異記」「今昔物語集」「沙石集」などにも出る。「古今集」の真字序は、和歌の風が大いに興ったことを述べて「難波津の什を天皇に献じ、富緒川の篇を太子に報ぜしが如きに至りては、或は事神異にあずかり、或は興幽玄に入る」と述べ、富緒とみのお川の歌は和歌の起源の一つをなすと考えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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