寒苦鳥(読み)カンクチョウ

デジタル大辞泉 「寒苦鳥」の意味・読み・例文・類語

かんく‐ちょう〔‐テウ〕【寒苦鳥】

インドヒマラヤにすむという想像上の鳥。夜に雌は寒苦を嘆いて鳴き、雄は夜が明けたら巣を作ろうと鳴くが、太陽が出ると寒さを忘れて怠ける。仏教では、怠けて悟りの道を求めない人間にたとえる。かんくどり。

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精選版 日本国語大辞典 「寒苦鳥」の意味・読み・例文・類語

かんく‐ちょう‥テウ【寒苦鳥】

  1. 〘 名詞 〙 インドのヒマラヤに住むという想像上の鳥。終夜、雌は夜寒をなげいて鳴き、雄は夜が明けたら巣を作ろうと鳴くが、夜が明けると朝日の暖かさに夜寒を忘れてそのまま巣を作らないでなまける。仏教では、この鳥を、なまけて悟りを求めようとしない人にたとえる。かんくとり。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「日影も長閑になりゆけど、ただ平家の人々は、いつも氷にとぢこめられたる心地して、寒苦鳥にことならず」(出典:平家物語(13C前)九)

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