寺社記(読み)じしやき

日本歴史地名大系 「寺社記」の解説

寺社記
じしやき

一〇冊 岩国藩編

成立 元禄八年 岩国徴古館蔵

解説 編集当時の写本が二部残存、一部は三冊、一部は六冊で、記事は同じで同筆。うち三冊本は玖珂組・由宇組・柳井組の三冊で、各冊の背に「元禄八乙亥年十月晦日、十冊之内」とある。また六冊本は玖珂組・由宇組・大畠組(元禄年中しばらく存した)・柳井組の四冊と五ヵ寺、準五ヵ寺の二冊。表紙と下縁部に寺社記とあり、背に「共十」と墨書する。このことから河内組と藤谷組の地方二冊が欠失、また城下の寺院一冊、神社一冊が欠失していることが推定できる。その記事は、当時存在の寺院名・神社名・宗派神主本尊・神体・由緒・華表銘・建置の牌名・寺宝・仏具・神具・堂宇・殿門祭日・末寺・社僧・寺領・古文書などにわたり、ごく小さい堂や森まで漏らさず列記する。


寺社記
じしやき

一冊

写本 松浦文庫

解説 高松藩領内の各寺院・神社の石高を記したもので、公儀御朱印四・藩主御朱印三九・寺社奉行証文二〇とそのほか施主や証文年号不明の寺社もあげられている。最も多いのは公儀御朱印の金光院(金毘羅大権現)三三〇石、次いで公儀御朱印の法然寺三〇〇石・藩主御朱印浄願寺三〇〇石・石清尾八幡宮神領二〇三石余となっている。本書中に出てくる年号の下限は享保二年である。なお本写本は天保四年七月に高松藩寺社奉行下役の香西義賢が寺社取次役山田兵右衛門から借りて写したものである。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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