金毘羅大権現(読み)こんぴらだいごんげん

精選版 日本国語大辞典 「金毘羅大権現」の意味・読み・例文・類語

こんぴら‐だいごんげん【金毘羅大権現】

  1. 香川県琴平町の象頭山(ぞうずさん)琴平山)の金刀比羅宮(ことひらぐう)にまつられる神。また、金刀比羅宮の旧称通称もと大物主神(おおものぬしのかみ)であるが、金毘羅垂迹(すいじゃく)として、大権現と呼ばれる。海神として船乗りなどの信者が多い。象頭山金毘羅大権現。金毘羅権現
    1. [初出の実例]「日比信心参らする、金比羅大権現の力にて、二人の子ども安穏に、敵討たせて給れ」(出典:歌舞伎・幼稚子敵討(1753)四)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金毘羅大権現」の意味・わかりやすい解説

金毘羅大権現
こんぴらだいごんげん

香川県仲多度(なかたど)郡琴平(ことひら)町に鎮座する金刀比羅宮(ことひらぐう)の旧称、また現在の通称。金毘羅とは本来インドのガンジス川にすむ鰐(わに)を神格化した水神の名である。サンスクリット語のクンビーラKumbhiraの漢訳語で、仏法守護神の薬師十二神将の一つ。その金毘羅が海神、水神として信仰され、讃岐象頭山(さぬきぞうずさん)に鎮座の神と神仏習合し、金毘羅大権現と称されるようになったのであり、同社を勧請(かんじょう)した各地の神社も同様によばれた。

[鎌田純一]


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世界大百科事典(旧版)内の金毘羅大権現の言及

【金刀比羅宮】より

…大物主神に,崇徳天皇を合祀する。創建年は不詳であるが,象頭山金毘羅(ぞうずさんこんぴら)大権現とよばれた本社は1001年(長保3)勅命による社殿修築があり,保元の乱で讃岐国へ移された崇徳上皇が参籠したこともあり,古来海上守護,祈雨の神として広い崇敬をあつめ,中世以降全国に勧請された。1868年(明治1)仏教色を一掃して金刀比羅宮と改称。…

【金毘羅信仰】より

…仏教の神に由来する金毘羅神の信仰。一般には,讃岐の金毘羅大権現(香川県琴平町の金刀比羅宮(ことひらぐう))を崇敬する信仰になっている。金毘羅大権現は,金光院松尾寺(真言宗)の伽藍守護の神としてまつられた地主神で,社僧と社職が奉仕したが,1868年の神仏分離で改称した。…

※「金毘羅大権現」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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