知恵蔵 「対アフリカ政策」の解説 対アフリカ政策(中国の) 2006年1月、中国政府は「中国の対アフリカ政策」文書を発表し、対アフリカ政策の基本原則と協力分野を明らかにした。基本原則は相互平等、相互利益、相互支援、相互学習の4つから成り、貿易は自由貿易協定の締結、投資は優遇借款と輸出バイヤーズ信用供与、農業では農業技術試験モデル計画実施、社会基盤整備では中国企業の積極的参加の拡大、資源では共同開発、軍事では軍事訓練と軍事力の整備のほか、軍事高官の緊密往来を協力分野にあげた。この基本政策に基づき、李肇星外相は同月、カボベルデ、セネガル、マリ、リベリア、ナイジェリア、リビアの6カ国を歴訪、同年4月には胡錦濤国家主席もナイジェリア、ケニア、モロッコを歴訪した。温家宝首相も6月、エジプト、ガーナ、コンゴ共和国、アンゴラ、南アフリカ、ウガンダを歴訪。中国は冷戦終結後の1995年5月に江沢民国家主席がアフリカ5カ国を歴訪したのに続いて毎年政府首脳がアフリカ諸国を訪問、借款・無償援助を供与してきた。00年10月、北京で開催された第1回中国・アフリカ協力フォーラム閣僚会議には45カ国が参加。03年12月には第2回フォーラムがアディスアベバで開かれた。06年北京で開催される第3回フォーラムはサミットに格上げされる予定。この間、01年から始まった第10次5カ年計画の「走出去(海外進出)」戦略および04年7月の「対外投資国別産業指導目録」により中国企業のアフリカ進出が加速されるなど、中国とアフリカ諸国の関係は緊密化している。 (林晃史 敬愛大学教授 / 2007年) 出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報