対馬の嶺・可牟の嶺(読み)つしまのみね・かむのみね

日本歴史地名大系 「対馬の嶺・可牟の嶺」の解説

対馬の嶺・可牟の嶺
つしまのみね・かむのみね

「万葉集」に詠まれた山名。同書巻一四に「対馬の嶺は下雲あらなふ可牟の嶺にたなびく雲を見つつ偲はも」と詠まれている。「津島紀略」は国府の諸山がいずれも有明ありあけ峰を本根とし、また峰の北西面を山と称していることから、対馬嶺は国府の西にそびえる有明(五五八・二メートル)に比定している。この歌が対馬に派遣された防人の歌とされることから、こうした見解が通説となっている。ただし対馬の嶺を限定せずに下県郡の高い嶺とし、可牟(上)の嶺も対馬から遠く望む九州の山かとする説を排するものではない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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