小乱声(読み)こらんじょう

精選版 日本国語大辞典 「小乱声」の意味・読み・例文・類語

こ‐らんじょう‥ランジャウ【小乱声】

  1. 〘 名詞 〙 雅楽前奏曲、または間奏曲一つ龍笛(りゅうてき)独奏で、拍子にはまらない乱れた感じの曲。笛の曲である乱声の一つ。「太平楽(たいへいらく)」「羅陵王(らりょうおう)」などの舞楽に用いる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の小乱声の言及

【振鉾】より

…笛・太鼓・鉦鼓のみで伴奏する。演奏次第は,一節では《小乱声(こらんじよう)》(竜笛の独奏)―《新楽乱声》(竜笛の退吹(おめりぶき),左方舞人の舞)。二節では《高麗(こま)小乱声》(高麗笛の独奏)―《高麗乱声》(高麗笛の退吹,右方舞人の舞)。…

【還城楽】より

…古くは,囀(さえずり)という舞人の唱える歌詞があったが,現在は伝わらない。演奏次第は,《小乱声(こらんじよう)》―乱序(笛は《陵王乱序》の追吹(おいぶき),舞人は出手(ずるて)を舞う。12段の出手のうち,9段のころ,蛇持が蛇を持って登場)―《還城楽音取》(三管同時に演奏する合音取(あわせねとり))―当曲(左方舞のときは,早只八拍子,拍子18,右方舞のときは,八多良八拍子,拍子18)―乱序(笛は《安摩乱声》の退吹(おめりぶき),舞人は8段の入手(いるて)を舞って退場)。…

【乱声】より

…現在は7種類の乱声が用いられている。唐楽では左方(さほう)の《振鉾(えんぶ)》の登場音楽である〈新楽乱声(しんがくらんじよう)〉,《迦陵頻(かりようびん)》《胡飲酒(こんじゆ)》《蘇莫者(そまくしや)》《抜頭(ばとう)》の登場音楽である〈古楽乱声(こがくらんじよう)〉(〈林邑乱声(りんゆうらんじよう)〉とも),《振鉾》《還城楽(げんじようらく)》《陵王(りようおう)》の導入曲である〈小乱声(こらんじよう)〉,《安摩(あま)》《二ノ舞》の登場音楽,および当曲,《還城楽》《陵王》の退場音楽である〈安摩乱声〉,《還城楽》《陵王》の登場音楽である〈陵王乱声〉の5種類,高麗楽では右方(うほう)の《振鉾》《貴徳(きとく)》《胡蝶(こちよう)》《新靺鞨(しんまか)》《八仙(はつせん)》《林歌(りんが)》の登場音楽である〈高麗乱声〉と,〈高麗乱声〉の前に舞の導入曲として奏される〈高麗小乱声〉の2種類。なお,〈小乱声〉と〈高麗小乱声〉は笛の独奏に太鼓と鉦鼓が加わる短い曲で,そのあとに乱声が続くのが普通である(例外として《納曾利(なそり)》は〈高麗小乱声〉のあと,すぐに当曲が奏される)。…

※「小乱声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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