大きな楽曲中に挿入された音楽のこと。楽種により各種の形態があり,歴史的にさまざまな名称で呼ばれた。(1)教会音楽ではとくにインテルルディウムinterludiumの名で,賛歌などの間に奏される短いオルガン曲をいう。(2)16世紀においてとくに悲劇などの幕間に行われた音楽。インテルメディウムintermediumと呼ばれる。劇の筋や気分とは無関係に催され,独唱や合唱はもとより,器楽伴奏のバレエなども含まれた。これはやがてオペラの成立を導いた。このような幕間劇の伝統はオペラ成立後も息づき,オペラの劇中劇として独自の筋と内容をもって演じられた。(3)劇やオペラの幕間に奏される劇間音楽で,通例,器楽曲。17世紀後半以降,インテルメッツォintermezzo,アクト・チューンact-tune,アントラクトentr'acteなどの名でも呼ばれ,シューベルトの《ロザムンデ》,メンデルスゾーンの《真夏の夜の夢》などの間奏曲は代表的なものである。これらは単独に演奏されることも多い。(4)19世紀の性格小品(キャラクター・ピース)の一種で,シューマンの《ウィーンの謝肉祭騒ぎ》のように連作曲中の1曲として収められることもあるが,表題との関連性をもたない場合も多い。
執筆者:西原 稔
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劇、大規模な楽曲、典礼などの間に挿入される音楽。典礼では、イムヌスや詩篇(しへん)の詩句の間に奏される短いオルガン音楽のことをいう。劇の幕間(まくあい)に奏されるものには、時代によって種々の形があり、16世紀の劇の幕間音楽インテルメッツォ、また18世紀のオペラ・ブッファへとつながる幕間劇インテルメッツォなどがある。
17世紀以降に現れた劇やオペラの純然たる幕間音楽は、独立した楽曲として演奏されることも多い。多楽章による器楽の大曲には、楽章の間に経過的な小曲が間奏曲としてしばしば置かれる。そのほかこの名称は、19世紀以後の叙情的な独立した小品にもつけられることがある。
[今谷和徳]
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