…職業仏師の祖といわれる定朝の父康尚(こうじよう)も叡山のこうした組織のなかから出てきた人物と思われるが,彼の場合は晩年に邸宅兼工房を持って生活していたらしく,資格としては土佐講師という僧としての肩書も備えている。このころから仏師の工房である仏所が定着するようになるが,その長上たる人物を大仏師といい,その下位にあって大仏師の手足となって働く者を小仏師と呼ぶようになる。大仏師の語はすでに奈良時代に東大寺大仏の造立に当たった国中(連)公麻呂(?‐774)の肩書として用いられているが,これは平安以後の大仏師とは意味を異にし,工人の棟梁に対する美称だと考えられる。…
※「小仏師」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」