寛仁(読み)カンジン

デジタル大辞泉 「寛仁」の意味・読み・例文・類語

かん‐じん〔クワン‐〕【寛仁】

[名・形動]心が広く、情け深いこと。また、そのさま。かんにん。「寛仁な人」
[類語]優しい温かい温か温厚寛厚親切情け深い慈悲深い心が籠もる心を籠めるハートフル

かんにん〔クワンニン〕【寛仁】

平安中期、後一条天皇の時の年号。1017年4月23日~1021年2月2日。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「寛仁」の意味・読み・例文・類語

かん‐じんクヮン‥【寛仁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 寛大で慈悲深いこと。心が広く、思いやりのあること。また、そのさま。かんにん。
    1. [初出の実例]「寛(クヮン)仁な者ぞ、其の心で宰相になったぞ」(出典:玉塵抄(1563)二五)
    2. 「願くは寛仁(クヮンジン)制度(さた)をもて、放(ゆる)し給へかし」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)後)
    3. [その他の文献]〔史記‐韓信伝〕

かん‐にんクヮン‥【寛仁】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙かんじん(寛仁)和英語林集成初版)(1867)〕
  2. [ 2 ] 平安中期、後一条天皇の代の年号。長和六年(一〇一七)四月二三日代始により改元。寛仁五年二月二日治安(じあん)と改元。摂政関白藤原頼道の時代。出典は「会稽(かいけい)記」の「寛仁云々」。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「寛仁」の読み・字形・画数・意味

【寛仁】かん(くわん)じん

心広く慈悲深い。〔漢書、高帝紀上〕高人と爲り、準(りゆうせつ)にして(鼻すじ高く)顏、~仁にして人を愛し、豁如(くわつじよ)たり。常に大度り。家人の生作業を事とせず。

字通「寛」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本の元号がわかる事典 「寛仁」の解説

かんにん【寛仁】

日本の元号(年号)。平安時代の1017年から1021年まで、後一条(ごいちじょう)天皇の代の元号。前元号は長和(ちょうわ)。次元号は治安(じあん)。1017年(長和6)4月23日改元。後一条天皇の即位にともない行われた(代始改元)。『会稽記(かいけいき)』を出典とする命名。1017年(寛仁1)、藤原道長(みちなが)が太政大臣に就任した。道長は1019年(寛仁3)に病のため出家して無量寿院の造営着手、同年には嫡男藤原頼通(よりみち)が関白となった。

出典 講談社日本の元号がわかる事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android