小呂島村(読み)おろのしまむら

日本歴史地名大系 「小呂島村」の解説

小呂島村
おろのしまむら

[現在地名]西区小呂島

西浦にしのうらから北西へ海上一三里の所にある小呂島一島を村域とする。志摩しま郡に属し、近世中期までに西浦に所属した。古くは宗像氏が宗像郡東郷とうごう(現宗像市)から本間孫四郎を移住させ、開墾を試みたが失敗(続風土記附録)。正保元年(一六四四)無人の島を切支丹が給水に利用しているのが発覚。福岡藩は人を住まわせ島番を置くために、西浦から小呂島への移住者を出すよう指示した。しかし希望者はなく、同二年五月に庄屋の一族五軒が小呂島へ移住。その際には水夫役をはじめとする公役免除、島の周囲五里四方の網代が認められた(「口上之覚」柴田家文書)。畠は麦しか作れないため年貢大豆は免除された(享保二年「志摩郡村々田畠畝高帳」鎌田家文書)。集落は南端の浜辺にあった。集落の北にある泉が唯一の水源(続風土記拾遺)、水が不足すると西浦あるいは壱岐から水を運んだ(続風土記附録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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