…旧日本陸軍では,西南戦争(1877)の経験により,指揮統率能力の向上と幕僚組織の充実を急務とし,1882年11月,陸軍大学校条例を制定,翌83年4月,参謀本部内(のち東京の青山に移転)に開校した。このときフランス参謀士官学校を卒業し,日本陸軍最初の正規の参謀科将校(参謀官)となった小坂千尋大尉が中心となって創設に参画し,ついで編制,動員,参謀服務などを担任して主として参謀養成を主眼とするフランス式教育を実施した。85年から94年までは,メッケル少佐ほか3名のドイツ軍参謀将校が,逐次交替で近代的な軍事学を教育し,とくに参謀旅行演習による実戦的な戦術を重視するドイツ式教育法に改め,参謀教育に大きく寄与した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」