小宿(読み)コヤド

デジタル大辞泉 「小宿」の意味・読み・例文・類語

こ‐やど【小宿】

小さな宿。ちょっと泊まる宿。
江戸時代奉公人が暇をとったときに身を寄せる宿。男女密会に使ったり、時には、私娼も置いたりした。中宿なかやど。出合い宿。
「おのが心まかせの男狂ひ、―を替へて逢ふこと」〈浮・一代男・三〉

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精選版 日本国語大辞典 「小宿」の意味・読み・例文・類語

こ‐やど【小宿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ちょっとした宿。短期間泊る宿。
    1. [初出の実例]「舎之於上舎とはまづ小(コ)やどを取てをく事ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)八)
  3. 江戸時代、若者組の泊り宿。男女の密会に用いられた宿。私娼を置くものもあった。出合宿。中宿。
    1. [初出の実例]「おのが心まかせの男ぐるひ、小宿(コヤド)を替てあふ事〈略〉親方の手前もはぢず」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)三)
  4. 江戸時代、港湾都市にあった宿屋。入津(いりつ)の廻船宿として船主の諸用を達した付船に対し、船乗り、水夫の宿泊を引き受けるもの。大坂、新潟、敦賀松前等の集散港に多く存在し、次第に商品の売買をも営み、船乗り、水夫の帆待ちの物品売りさばきの委託をうけて口銭を得、年行司を定めるところもあった。

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