小山荘(読み)おやまのしょう

百科事典マイペディア 「小山荘」の意味・わかりやすい解説

小山荘【おやまのしょう】

下野国都賀(つが)郡を中心に寒川(さむかわ)郡にも及んだ荘園。現栃木県小山市付近から下都賀郡にかけた地域にあたる。開発領主小山氏私領後白河院に寄進して小山荘が成立。1166年,後白河院は御幣用の料紙を供進(ぐしん)するため伊勢神宮に小山荘を寄進して寒河御厨(さむかわのみくりや)が成立した。1213年には一円神領となったが,地頭職は小山氏が保持。面積180町。伊勢神宮へは紙360帖のほか絹や白布などを納めることになっていた。

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世界大百科事典(旧版)内の小山荘の言及

【越前国】より

…奈良時代に成立した東大寺の広大な墾田地系荘園が平安時代に入って衰亡すると,鎌倉期にかけて越前では新しく寄進地系を中心とした皇室や摂関家,大寺社の荘園が生まれた。坂井郡では興福寺兼春日社領河口荘・坪江荘,長講堂領坂北荘,吉田郡では最勝光院領志比荘,山門領藤島荘,皇室領河北荘(河合荘),足羽郡では近衛家領宇坂荘,伊勢神宮領(後に一条家領)足羽御厨,一条家領東郷荘,大野郡では醍醐寺領牛原(うしがはら)荘,春日社領泉荘・小山荘,丹生郡では妙法院領織田荘など大規模な荘園が存在した。これに対し国府(府中)を中心とする今立,南条郡一帯は国衙領が多く荘保も皇室領を中心として小規模なもので占められた。…

【寒河御厨】より

…現栃木県小山市付近。小山荘ともいい,小山氏の重代の屋敷があった苗字の地である。平安末期,後白河院領であったが,1166年(仁安1)長日御幣用の料紙を内・外二宮の供祭物として備進するため,院より伊勢神宮へ寄進された。…

※「小山荘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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