日本歴史地名大系 「小島井水」の解説 小島井水おじまいすい 岐阜県:揖斐郡揖斐川町小島井水近世以来の灌漑用水で、揖斐川支流粕(かす)川の水を池田(いけだ)郡市場(いちば)村の一(いち)ノ井で取水し、粕川左岸一二ヵ村の耕地を潤す。井水組は市場・白樫(しらかし)・上野(うえの)・堀(ほり)・新宮(しんぐう)・大門(だいもん)・溝尻(みぞじり)・野中(のなか)(以上一ノ井組)、黒土(くろど)・和田(わだ)・岡(おか)・東野(ひがしの)(以上二ノ井組)の各村で結成し、延宝八年(一六八〇)の井懸総高は三千一〇六石(「出入一件」矢野文書)。粕川からの取水量は、元和四年(一六一八)市場の一ノ井堰で池田井水と五分五分と定めている(「裁許状」粕川一ノ井水組合文書)。池田井水との争論は、延宝七年と文化三年(一八〇六)に水堰の移動場所をめぐって起きている以外はない。井水組内の分水については、承応三年(一六五四)井水組一二ヵ村立会いのもとに一ノ井筋・二ノ井筋に分けたが、延宝六年両井筋間で分水をめぐって争論が起きた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by