小所司代(読み)こしょしだい

精選版 日本国語大辞典 「小所司代」の意味・読み・例文・類語

こ‐しょしだい【小所司代】

〘名〙 室町幕府職制一つ所司代家人で、その職務を助けるもの。又所司(またしょしだい)。所司代は、侍所(さむらいどころ)長官(所司)の代官
※長興宿禰記‐文明九年(1477)正月一八日「又被官人浦上五郎左衛門尉〈侍所小所司代也〉同被出於同所、被御太刀

しょう‐しょしだい セウ‥【小所司代】

〘名〙 室町幕府の侍所所司代配下の職。又所司代とも称す。所司代の実務を補佐する代官で、所司代の家人が勤めた。こしょしだい。
※東寺百合文書‐ち・永享一一年(1439)三月二六日・廿一口方評定引付「次小所司代勘解由左衛門二、自寺家一献可其沙汰歟之由申」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の小所司代の言及

【所司】より

…(4)室町幕府の侍所の長官である頭人(とうにん)のこと。所司の下には代官である所司代,小所司代などが組織された。(5)安土桃山~江戸時代の京都所司代。…

【所司代】より

…15世紀に所司代が関与した事例をみると,洛中の犯罪は軽重をとわずその所管であり,犯罪者の追捕(ついぶ)・拷訊(ごうじん),処罰の執行,獄舎の管理,洛中に関する幕府裁決の遵行(じゆんぎよう),幕府御門の警固,洛中への幕府諸公事銭の徴収から神泉苑の掃除に至るまで,以前の検非違使庁の職務はほとんどここに継承されている。その職掌は《庭訓往来》にも記されているが,このように所司代の権限が拡大して幕府の正規の一機関になると,所司代の代官である〈小所司代〉も史料にみえてくる。 将軍足利義政の時期には,所司は在京せずに所司代が直接幕府の命をうけて事に当たることが多く,その権威と富は主家をしのぐ者があらわれる。…

※「小所司代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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