日本歴史地名大系 「小本川塩引御用役所跡」の解説
小本川塩引御用役所跡
おもとがわしおびきごようやくしよあと
将軍家・大納言家等への献上用、あるいは諸大名への贈答用として、現地で塩引につくられた鮭の監督として任命された小本川鮭奉行の詰所として建てられたもの。「三閉伊路程記」に「町入口に御献上鮭塩引御拵の役所有」と記し、三閉伊道中図には、小本町の家並の下端、浜街道渡場口に「ご献上役処」として描かれている。鮭川の漁業権は一時閉伊中惣海川の中に組込まれていたが、小本村漁師らの反対によって寛文五年(一六六五)には御前川と称して藩直営となり、漁事のみ小本村の瀬主・漁師に託されている。同年の遣証文(雑書)によれば上納金は六三両で、うち一〇両は
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報