小泉御厨・小泉庄(読み)こいずみのみくりや・こいずみのしよう

日本歴史地名大系 「小泉御厨・小泉庄」の解説

小泉御厨・小泉庄
こいずみのみくりや・こいずみのしよう

吾妻鏡」建久元年(一一九〇)四月一九日条所載の内宮役夫工料未済注文に「小泉御厨」がみえ、幕府から右兵衛督一条能保に対し未済分を納入するよう伝えたとある。同三年八月の伊勢神宮神主請文写(神宮文庫蔵)によれば小泉御厨は二宮領で給主は左兵衛督家(一条能保か)、上分は内宮・外宮とも各八丈絹二〇疋であるが近年納入されていないとされる。また当御厨の成立の子細が不明なので領家に尋ねたうえで報告するとの注記があり、伊勢神宮が本家であったことがわかる。一方「吾妻鏡」同年一二月一四日条によれば、一条能保の亡妻から子へ譲られた遺領二〇ヵ所のうちに小泉御厨がある。これら二〇ヵ所はいずれも平家没官領で、源頼朝からその妹である一条能保室へと与えられたものであった。同七年には神宮使上洛の際の在京粮料として二石が課されている(同年七月一六日「大神宮司庁宣」神宮雑書)。南北朝期に成立した「神鳳鈔」には八丈絹一〇(異本は二〇)匹を納め、面積は八四町三段六〇歩と記され、享徳元年(一四五二)の皇大神宮宮司庁宣注文写(神宮文庫蔵)には「小泉一貫文」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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