小童村(読み)ひちむら

日本歴史地名大系 「小童村」の解説

小童村
ひちむら

[現在地名]甲奴町小童

宇賀うが村の東、上下じようげ川の支流小童川の上流域に位置する。赤名あかな峠越の石見路南東別迫べつさこ(現世羅郡甲山町)より入り、宇賀村に抜ける。世羅郡に属した。平安末期以降京都祇園社領で小童保とよばれた地で、地名は永万二年(一一六六)正月一〇日付後白河院庁下文案(高野山文書)に、大田おおた庄の四至として「北限小童堺」とある。地名は一般に「ひち」と読まれる場合が多いが、「しち」と記される場合もある。

近世は広島藩領で、元和五年(一六一九)の備後国知行帳は「ひち村」とあり一一九八・九三九石を記す。「芸藩通志」も同石を記し、田畝一六二町二反一畝余、戸数二二七・人口九七八、牛八〇・馬三三とあるが、天保郷帳では高一二四八・六一三石。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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