小簾(読み)オス

デジタル大辞泉 「小簾」の意味・読み・例文・類語

お‐す〔を‐〕【小×簾】

小さいすだれ。また、簾。
玉だれの―の外には」〈一葉暁月夜

こ‐す【小×簾】

《「おす(小簾)」の誤読から》すだれ。みす。
「秋近くなるしるしにや玉すだれ―のま遠し風の涼しき」〈金槐集

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「小簾」の意味・読み・例文・類語

お‐すを‥【小簾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 ) あし、竹などを糸で編みつないだもの。すだれ。また、小さいすだれ。
    1. [初出の実例]「玉垂れの小簾(をす)の間通しひとり居て見る験(しるし)なき暮(ゆふ)月夜かも」(出典万葉集(8C後)七・一〇七三)

こ‐すだれ【小簾】

  1. 〘 名詞 〙 小形のすだれ。特に、車輿に懸ける小形のすだれ。
    1. [初出の実例]「小簾〈四枚四緒。懸八筋。長各二尺。櫨匂〉下簾」(出典:桃花蘂葉(1480)車事)

こ‐す【小簾】

  1. 〘 名詞 〙 ( 古く「おす」といったのを読み誤って用いられた語 ) 御簾(みす)。すだれ。
    1. [初出の実例]「玉だれのこすの間遠し見てしより君に心をかけぬ日ぞなき〈源家時〉」(出典:康和四年内裏艷書歌合(1102))

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android