小袴(読み)コバカマ

デジタル大辞泉 「小袴」の意味・読み・例文・類語

こ‐ばかま【小×袴】

六幅むの狩袴かりばかま裾短すそみじかに仕立てたもの。
中世武家直垂ひたたれ素襖すおうなどに用い、上括しょうくくりにするために、特に裾を短くして括り緒を入れた袴。

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精選版 日本国語大辞典 「小袴」の意味・読み・例文・類語

こ‐ばかま【小袴】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 六幅(むの)狩袴(かりばかま)裾短に仕立てたもの。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
    1. [初出の実例]「冬は二へおり物のみつをんぞなどに御こはかま」(出典:たまきはる(1219))
  3. 中世の武家の直垂(ひたたれ)素襖(すおう)などに用い、上括(じょうくく)りにするために、特に裾を短くして括り緒を入れた袴。
    1. 小袴<b>②</b>〈石山寺縁起絵〉
      小袴〈石山寺縁起絵〉
    2. [初出の実例]「折烏帽子、着直垂小袴行縢騎馬」(出典山槐記‐治承二年(1178)正月二三日)
  4. 裾括りを入れない半袴。現今の袴に似る。

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世界大百科事典(旧版)内の小袴の言及

【袴】より

…(5)指(差)袴(さしこ) 指貫を切袴にした仕立てで,その模様,色目などもほぼ指貫に類し,衣冠,狩衣などに指貫の代用として着装された。(6)小袴 上古の褌の系統のものといわれ,その仕立ては指貫に似て裾に括りのある短小な袴。古く小袴はつねに素襖(すおう)に着用されたが,また直垂(ひたたれ),水干(すいかん)にも用いられた。…

※「小袴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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