狩袴(読み)カリバカマ

デジタル大辞泉 「狩袴」の意味・読み・例文・類語

かり‐ばかま【狩×袴】

地下じげの官人が狩猟のときにつけたくくり袴。貴族のものより幅が狭い。奴袴ぬばかま

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精選版 日本国語大辞典 「狩袴」の意味・読み・例文・類語

かり‐ばかま【狩袴】

  1. 〘 名詞 〙 堂上が用いる八幅(やの)指貫(さしぬき)に対して、地下(じげ)狩衣の下に着る袴。指貫に似て、幅の狭い六幅(むの)括袴(くくりばかま)。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「等身の衣にかりばかまきたる侍法師の、みめよくつきづきしげなる」(出典:古今著聞集(1254)一八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「狩袴」の意味・わかりやすい解説

狩袴
かりばかま

公家(くげ)衣服一種。狩衣(かりぎぬ)装束に着用する袴。括(くく)り袴形式で、裾(すそ)をすぼめるよう紐(ひも)を籠(こ)めて通してあり、それを引き締めて括る。同じ括り袴式の指貫(さしぬき)の袴が八幅(やの)仕立てで広く、丈が長いのに対し、狩袴は六幅(むの)仕立てでやや狭く、丈もやや短い。狩衣と同様に、もとはすべて布(麻)製であったが、絹のものも用いられるようになった。指貫は殿上人(てんじょうびと)以上の者が用いたが、狩袴は地下(じげ)といわれる六位以下の者がはいた。

[高田倭男]


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世界大百科事典(旧版)内の狩袴の言及

【袴】より

…華美な色目および模様の織物,綾,絹などを用いる。(4)狩袴 指貫の類であるが,六布の仕立てで,やや筒が細い。布製で狩衣に着装する。…

※「狩袴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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