精選版 日本国語大辞典 「少も」の意味・読み・例文・類語
すこし【少】 も
① (肯定の表現とともに用いて) わずかでも。わずかながら。
※竹取(9C末‐10C初)「世中に多かる人をだに、すこしもかたちよしと聞きては、見まほしうする人どもなりければ」
※平家(13C前)一一「いますこしも日数ののぶるをうれしき事におもはれけり」
② (否定の表現とともに用いて) その程度、度合が零であることを示して、否定の気持を強める。全然。ちっとも。
※今昔(1120頃か)一二「少(すこし)も不足ずと云ふ事无くして叶へり」
すくなく‐も【少も】
① (下に打消や反語表現を伴って) すこしばかり…ではない。いくらすくなく見ても…などというものではなく、大いに。非常に…だ。
※万葉(8C後)一五・三七四三「旅と云へば言(こと)にそ易き須久奈久毛(スクナクモ)妹に恋ひつつ術(すべ)無けなくに」
② (下に打消を伴わないで、肯定表現、希望表現などで結ばれる。新しいいい方) 控え目に見ても。最小限であっても。すくなくとも。
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