尾鷲節(読み)オワセブシ

デジタル大辞泉 「尾鷲節」の意味・読み・例文・類語

おわせ‐ぶし〔をわせ‐〕【尾鷲節】

民謡の一。三重県尾鷲市付近の踊り歌座敷歌。元来は漁師のうたった船歌という。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「尾鷲節」の意味・わかりやすい解説

尾鷲節
おわせぶし

三重県尾鷲市の港を中心にして歌われてきた民謡。もともと漁師たちの歌っていた舟唄(ふなうた)だったが、幕末に尾鷲の港町で歌われた流行(はやり)唄の『何故(なしょ)まま節』が唄の支柱になっている。これが、2月上旬に行われる尾鷲神社祭礼での神輿(みこし)の道中に笛や太鼓で歌われるようになってから、古い道中唄『こちゃえ節』を取り入れ、さらに新しい歌詞もつくられ、1917年(大正6)レコードの吹込み以後『尾鷲節』とよばれるようになった。この民謡の特徴は、本唄が終わってから転調し「中村山のお灯明(とみょ)あげ 国市(くにいち)の 国市さまの夜ごもり」という道中唄の一節を取り入れた中唄が入っていることである。

斎藤 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android