精選版 日本国語大辞典 「尾鷲」の意味・読み・例文・類語
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三重県南部の市。1954年,尾鷲町と須賀利,九鬼,北輪内,南輪内の4村が合体して市制。人口2万0033(2010)。市域の大部分は紀伊山地の山林だが,東部は熊野灘に臨むリアス海岸で,市街地は尾鷲湾奥の小平地に位置する。前面に黒潮が流れ,背後に山が迫っているため,年降水量4000mmをこえる多雨都市である。中世には一時伊勢神宮領となり,九鬼は熊野水軍の根拠地として名をはせた。近世には紀州藩の支配を受け,近海航路の寄港地であった。1934年国鉄紀勢東線が開通,59年には紀勢西線とつながり紀勢本線となった。尾鷲材(杉,ヒノキ)で知られる林業,製材業と沿岸・遠洋・養殖(ハマチ,タイ)各漁業,水産加工が主産業であったが,64年に石油(東邦石油)・火力(中部電力)コンビナートが完成し,町の景観は一変した。紀勢本線全通後は海水浴客(三木里海水浴場)や魚釣客も増加している。
執筆者:成田 孝三
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