山出(読み)やまだし

精選版 日本国語大辞典 「山出」の意味・読み・例文・類語

やま‐だし【山出】

〘名〙
① 山からものを運び出すこと。山の林産物木材薪炭・木地細工物など)や鉱産物を搬出すること。また、そのもの。
※玉塵抄(1563)三一「朴はなにとよむやら山たしの木のやうなぞ、そまがけづったままの木を云ぞ」
② 木材などを山から運び出すためにかり集めた人足。
説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)六「山たし、八十五人ばかりして、もちさうなる、くすのきはしらを」
田舎から出てきたままで田舎風の抜けていないこと。田舎気質丸出しなこと。また、その人。やまだしもの。やまで。
幸若烏帽子折(室町末‐近世初)「きのふかけふかの山出此わっぱが、ありさまをものによくよくたとふれば」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉中「それが解らないくらゐなら山出(ヤマダ)しの田舎ものだ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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