朝日日本歴史人物事典 「山口正定」の解説
山口正定
生年:天保14.9.25(1843.10.18)
水戸藩士,のちに明治天皇側近。通称徳之進。幕末には尊攘派として活動した。文久3(1863)年藩主徳川慶篤に従い上京,家老の下で京都守衛に当たる。藩論が佐幕となったのちも京都に留まり,慶応4(1868)年,勅を奉じ帰藩した。戊辰戦争に藩兵を率いて出征後,権大参事となる。明治5(1872)年士族を登用する宮中改革の流れをうけて侍従として宮内省に出仕。10年侍補。11年海軍中佐兼侍従長となり,佐佐木高行と共に天皇と海軍の意思疎通に努めた。のち侍従,主猟局長官,主殿頭,宮中顧問官などを歴任し,男爵を授けられた。<参考文献>『水戸藩史料』,宮内庁『明治天皇紀』
(西川誠)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報