山埼郷
やまさきごう
「和名抄」高山寺本・東急本にみえる郷名。名博本は「山崎郷」につくる。東急本に「也万左木」の訓がある。山埼という地名は愛鷹山南東の尾根の先端という地形に由来すると考えられる。その地形と古代・中世の岡野牧・大岡庄の存在から現沼津市大岡・東沢田・中沢田・西沢田付近とする説(大日本地名辞書)もあるが、駿河郷の北にあたるとみられる西沢田に山崎の小字名があることから、愛鷹山の山麓付近の現沼津市岡一色・岡宮・東熊堂・西熊堂・東沢田・西沢田・沢田付近に比定するのが妥当であろう。
山埼郷
やまさきごう
「和名抄」高山寺本・東急本ともに「山埼」と記し、訓を欠く。承和一二年(八四五)一二月五日付の那賀郡司解(東寺古文書)に「山前郷狛村大緑野并萩原村野田等」とみえ、「山前」と記される。長承元年(一一三二)一一月一六日付の山崎庄立券文案(根来要書)に「山崎郷内市畠井并名陵等村」とみえ、郷内の地が高野山大伝法院領山崎庄として立券されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 