富士山の東南東に位置する洪積世中期(富士火山直下の小御岳火山とほぼ同時期)の複合火山。足高山・足鷹山などとも書き、山域は沼津市・富士市・裾野市・
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静岡県東部,富士山の南東にあって,富士,沼津,裾野市などにまたがる山。最高点は越前岳の1504m。主要な峰には北から南へ越前岳,呼子岳(1310m),鋸(のこぎり)岳(1296m),位牌(いはい)岳(1458m),大岳(1262m),愛鷹山(1188m)などがあり,これらを総称して〈愛鷹山〉と呼ぶが,狭義には東海道から一番目だつ最南の一峰を指す。富士火山体直下の小御岳(こみたけ)火山とほぼ同時期の洪積世中期に噴出した古い火山であるため,山頂部は浸食が進んで鋸歯状の稜線をみせ,深い火口は南西方向に破れて,この火山最大の浸食谷,須津(すど)川の源流となっている。火山体の大部分は初期に噴出した玄武岩質の噴出物で構成され,その後に噴出した玄武岩,安山岩質溶岩の分布はかなり限られている。南東麓の沼津市愛鷹,原にかけては山麓斜面が比較的よく保存されていて,茶園や畑が標高200~300m付近まで広がっている。山麓斜面では水が乏しかったため,集落は浮島低地にのぞむ山麓末端に連なり,そこを東西に根方(ねがた)街道が通じている。
執筆者:松本 繁樹
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静岡県、富士山の南東に位置する火山。最高点は越前岳(えちぜんだけ)で標高1504メートル。山上は、越前岳から呼子(よびこ)岳(1310メートル)、位牌(いはい)岳(1458メートル)、狭義の愛鷹山(1188メートル)へと続き、遠望すると、鋸歯(きょし)状に侵食された山稜(さんりょう)に特色がある。箱根火山とほぼ同時期の活動で形成された成層火山で、位牌岳西側の須津(すど)川源流部が旧火口部といわれる。越前岳北斜面は富士山と接し、十里木高原(じゅうりぎこうげん)となる。南東麓(ろく)には緩斜面が広がり、ゴルフ場への改変が進んだ。山名はかつて足高之峰とも書かれ、古代には官牧が設けられ、馬の放牧がなされていた。裾野(すその)の斜面は茶園、樹園地、畑地も広く、浮島ヶ原(うきしまがはら)との境の山麓には、かつての東海道である根方(ねがた)街道が通る。
[北川光雄]
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