山成島
やまなりじま
勝浦港の対岸、狼煙山の東方一・四キロの洋上に位置。大小一五島からなる群島中最大の島で、成りの島ともよばれる。補陀落渡海の旧跡の一。「平家物語」巻一〇(維盛入水)に「山なりの島と云ふ所あり」とみえる。同書によれば、屋島の戦に敗れた平維盛は高野山で出家し、熊野三山参詣後、浜宮王子(現大神社)の前から船を出し、山成島にこぎ寄せて松の木に「三位中将維盛、法名浄円、生年廿七歳、寿永三年三月廿八日、那智の沖にて入水す」と書付け、さらに沖へこぎ出でて入水したという。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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