朝日日本歴史人物事典 「山本与興」の解説
山本与興
江戸後期の加賀(石川県)の医師で,加賀楽焼の陶工。加賀前田家は茶の湯の趣味が深く,裏千家を開いた4代宗室(仙叟)も招かれている。藩内には趣味で茶道具を作る作家も多く,与興もそのひとり。道入に私淑して楽焼を研究し,低火度の鉛釉を使い,茶碗や茶道具を作り,御庭焼の一家をなした。養子の宗悦も作陶し,門下から堀越左源次が出,のち尾山屋伊八,小原伊平,原呉山などが加賀楽焼を継承した。
(矢部良明)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報