朝日日本歴史人物事典 「山本京四郎」の解説
山本京四郎(初代)
生年:元禄13(1700)
江戸中期,上方の歌舞伎役者。俳名可中。大坂道頓堀の出身。能狂言師から歌舞伎役者に転じた山本彦五郎の婿養子となり,享保9(1724)年山本幸四郎の名で京都瀬川菊之丞座に出勤,翌年山本京四郎と改めて,以降京坂を中心に活躍した。江戸にも3度下り,江戸の風を呑み込み当たりを取る。元文5(1740)年立役上上吉に位付けされた。大柄で男振りよく,大音で口跡がしっかりとし,演技過剰で少しいやみはあるものの「諸芸手強く」,荒事,実事,所作事,のちには親仁形をも得意として手広さを見せた。一代の当たり役は「忠臣蔵」の由良之助。名跡は2代まである。<参考文献>『歌舞伎評判記集成』1,2期
(上野典子)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報