山渓寺(読み)さんけいじ

日本歴史地名大系 「山渓寺」の解説

山渓寺
さんけいじ

[現在地名]上野市恵美須町

恵美須えびす町の西北に位置する。寺域は元天神もとてんじんと通称され、上野天神(現菅原神社)の旧社地であったという伝承がある。神護山と号し、臨済宗東福寺派、本尊釈迦如来。「伊水温故」に「大年周永長老、慶長年中ニ開基、此大年者(中略)依招高虎、至与州、高虎帰依ス、自与州、来伊陽、昵近シ霊場ヲ領シ、寺垣ヲ標テ山渓寺ト号ス、丈室名帰耕軒、大年長老寛永十一年年遷化、世寿七十四歳」とある。「宗国史」祀典録にも同様のことが記され、「給粟二十石、又令公弟内匠助、為檀越、賜号山渓寺」とある。寺号は藤堂高虎より下賜されたもので、内匠助は慶長四年(一五九九)より徳川家康の質として江戸に置かれていた正高で、慶長一一年帰国、寛永六年(一六二九)伊賀で死し、山渓寺に葬る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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