山田文右衛門(読み)やまだ・ぶんえもん

朝日日本歴史人物事典 「山田文右衛門」の解説

山田文右衛門

没年:明治16.9.12(1883)
生年:文政3.8.10(1820.9.16)
江戸末・明治初期,蝦夷地,北海道における場所請負・漁業経営者。代々文右衛門を襲名,その16代。福山(北海道松前町)生まれ。栖原角兵衛家の支配人を務め,のち独立して場所請負人となった先代家業を継いで勇払,沙流,厚岸,根室場所を経営。安政5(1858)年からの幕府の北蝦夷地(樺太)開発に差配人並として関与。万延1(1860)年から沙流場所で始めた岩石海中投入による昆布着礁の試みが成果をあげ,箱館奉行も一般に奨励するようになるなど,漁業発展に功労があった。<参考文献>『山田氏系譜』(北海道立図書館蔵),『山田文右衛門履歴』(小樽市・山田家蔵)

(田端宏)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山田文右衛門」の解説

山田文右衛門 やまだ-ぶんえもん

1820-1883 幕末-明治時代の殖産家。
文政3年8月10日生まれ。代々文右衛門を名のる。16代をつぎ,蝦夷(えぞ)地(北海道)で場所請負人として漁業にたずさわる。安政4年箱館(はこだて)奉行の命で樺太(からふと)の漁場をひらく。また沙流(さる)場所で大量の岩石を海中に投入して昆布礁を造成し,昆布の増殖に成功した。明治16年9月12日死去。64歳。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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