日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡山天体物理観測所」の意味・わかりやすい解説
岡山天体物理観測所
おかやまてんたいぶつりかんそくしょ
自然科学研究機構国立天文台付属の全国共同利用の観測施設。日本の天体物理学の研究を推進させるため1960年(昭和35)に設立された。主要観測設備はイギリス、グラブ・パーソンズ社製の188センチメートル反射望遠鏡、日本光学製の91センチメートル反射望遠鏡、65センチメートル太陽望遠鏡など。2006年(平成18)日本最大となる380センチメートルの新技術天体望遠鏡の建設計画が決定された。小惑星、彗星(すいせい)の回帰の早期発見、A型特異星、低温度星、連星、脈動星、輝線星などの分光学的研究、銀河の測光、クエーサーや特異銀河の分光学的研究、X線天体の光学同定、彗星と木星の衝突現象の観測、太陽磁場の研究など多方面にわたる業績がある。所在地は岡山県浅口市鴨方(かもがた)町本庄(ほんじょ)。標高372メートルの竹林寺山頂にあり、近くに岡山天文博物館がある。
[山下泰正]
2017年末、188センチメートル反射望遠鏡の共同利用日程を終了。これをもって共同利用観測所としての役割を終えた。2018年度からは大学研究者等の運営により望遠鏡の利用が行われている。
[編集部 2018年9月19日]